🌟2016年🌟123分
★出演者★
鈴木保奈美
多岐川裕美
桐山漣
長谷川朝晴
古村比呂 ほか
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟★
ここは金沢。瓦屋根が立ち並ぶ情緒ある町並みに老舗料亭が...。入り口には...休業を知らせる丁寧なお詫び状が貼られていた。それは女将である岸本辰子の葬儀の為であった。
料亭の若女将である三女の岸本茜(佐々木希)が喪主勤め、傍らには長女の宮沢 紫(ミムラ)が...。富山から駆けつけた次女の岸本 藍(比嘉愛未)はお見送りにギリギリ間に合い、何とか無事に葬儀を終えることができた。
気丈な辰子は自身の病状を知り、全ての終活を整えていた。自身の葬儀の挨拶まで用意していたのだ。集まった方々への配慮の行き届いた文面に、長年老舗料亭で女将を勤めた才覚が現れている。最後は粋な言葉で締め括られ、生前の女将の姿を思い出し代読した茜の声も震えた。
一段落し三姉妹は弁護士から遺書を手渡される...。茜は若女将の自分には打ち明けておくべきだったのでは⁉️と弁護士を責めたが、逆に諭されてしまう。肝心の遺書には「許してください。あなた達のお母さんは生きています」と住所が添えられていただけだった。
翌日、手紙にあった富山へ向かった三姉妹は介護施設を訪ねる。祖母の処に戻って以来10年以上の月日が経っていた。母の方は三姉妹の事が分からず、横を素通りして入所者と箱の取り合いを始めた。奪い返すとその場から離れていってしまう。
部屋の入り口には「520 原島 美津子」と表札があり、岸本を名乗っていなかった。宝箱をチェストに仕舞うと衣類で覆い隠した。安堵したような満足気な笑みを浮かべ、ベッドに腰を下ろす。驚いていた三姉妹を職員が部屋まで案内すると、美津子の様子を見て「何しに部屋に戻ってきたのかを忘れてしまった」と教えてくれた...。
言葉を失い立ち尽くす姉妹は、別室で担当者の話を聞くことに...。かなり重症なアルコール性認知症。祖母が何度か訪れ面倒をみてきた事などを知る。そして各々が祖母の言葉を思い出していた。亡くなったと聞かされ、3人とも前を向いて自分の道をしっかり歩むように...と言われた日の事を。
帰り道、茜は辰子の貯金が僅かだった理由が分かり全ては母のせいだったと憤る。紫は夫に藍は婚約者に、それぞれ「両親は他界して祖母に育てられた」としか話していない事を打ち明け合う。お互いに相手へどう伝えるべきか悩みながらそれぞれの帰路につく。
紫は東京で暮らす専業主婦。記憶の中の母は既にお酒に飲まれていた...。自分の子ども達に同じ思いをさせないように勤めてきた。だが...。紫の身には根深い闇が潜んでいた...。同じ頃茜は、馴染み客からのプレッシャーに押し潰されそうになっていた。すると、手にはなんと...。
悪夢に飛び起きる。藍もまた苦しんでいた...。富山県黒部市立の小学校に勤める藍は、自身の体験から子どもの怪我に敏感になっていた。そして母に再開してから、婚約者の(桐山漣)を避けるようになっていた...。
夏休みに入る前日、婚約者の自宅で夕食をご馳走になる。小さな飲食店を営んでいる様子。藍は遺影をみて初めて妹と父親を亡くしていた事を知った。市役所に勤める息子との出会いを聞いてきたり、努めて気さくに接してくれた母親は、精一杯のもてなしをしてくれた。だが、肉を焼く火を見て藍はフラッシュバックをおこしてしまう。送ってもらった車の中で、藍は母の話を打ち明けた...。
正直に胸の内を話した藍に後日、彼は自身の中にも閉じ込めていた悪意が存在していた事を告白してくれた。その上で離れたくない想いと一緒にいる事を望んでいると言ってくれた。母へ着替えを持っていく日に2人で出掛けた。そこで先日の大事にしていた宝箱がオルゴールで、その曲は三姉妹の思い出の曲だと知る。
「カノン」3人が鬼ごっこをするように演奏する...。母との思い出の曲。ピアノの発表会で三姉妹が3台のピアノを使って弾いた。拍手を浴びた瞬間に1人の女性が会場から出ていった。後ろ姿をチラッと見た気がしたことを、藍はずっと引っ掛かっていた...。
この出来事が鍵となり三姉妹の日常も前に動き出す。藍は全ての事実を知るために動き出した。すると色んな人たちのお陰で、次々に明らかになる真実。全てを知った姉妹は...。
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アルコール依存症。壮絶な生き様を鈴木保奈美さんが見事に演じきった。言葉だけでなく、一目見て情景が湧くような容姿に、プロ根性を見ました。気迫が凄い。
そして多岐川裕美さんが祖母の役柄を演じる事に、私自身の年を感じ、感慨深いものがありました。そして綺麗な容姿だけでなく女将としての心意気を感じる演技だったと思います。
久しぶりにストレートな優しい良い人を演じていた桐山漣さんは新鮮でした😆長谷川朝晴さんに至っては随分沢山の出演作品を見せて頂いていますが、過去一番嫌な奴😠初めて殴りたくなりました(笑)あ。余談ですが...佐々木希さんとの「TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~」観たくなりました😂
3姉妹に至っては、貫禄のミムラさんの狂気は流石だったし比嘉愛未さんは要の役がハマっていた。佐々木希さんは三女の天真爛漫さに加えて(母の)色気⁉️着物姿が様になっていて驚きました。
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レビューの好評化が頷けた...私には深い映画に思えました。
今日も拝読をありがとうございました🍀✨🤗
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