映画館を出た後、親や祖父母に連絡したいと思ってもらいたい。そんな映画です。マイテ・アルベルディ監督
アクションとは無縁の「やさしいスパイ」新感覚を味わえそうで、興味を惹かれ鑑賞に至りました。
老人の「スパイ物語」は暖かくホッコリする印象を受け、スパイの概念を一掃されます。老人と言えど…新しい繋がりを築く事が出来、冒険を始めるのに遅過ぎる事は無いと思えた。年齢を重ねても…心惹かれる事に面白さを見出し没頭できれば、充実した日々を得られ長寿にも繋がるのではないでしょうか😆
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視聴した作品は…
83歳のやさしいスパイ
ドキュメンタリー
原作=「老人スパイ」
監督・脚本
マイテ・アルベルディ氏
※チリ・カトリック大学で映画と美学を専攻。小さな世界で起こる日常の物語を通して、登場人物を非常に近い視点から描き出す独自のスタイルを築き上げた監督。とてもチャーミングな方。そんな印象です。
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2021年・89分
Amazon prime videoより
現在prime会員は無料で視聴が可能です。
(会員でも一部地域の方は視聴出来ない可能性があります)ご注意ください。
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おおすじ
元インターポールの肩書を持つ★ロムロ・エイトケンはA&A探偵事務所の探偵だ。「①高齢男性1名募集②80~90歳の退職者③長期出張が可能で電子機器を扱える方」の募集をかけた。ある施設に潜り込んで貰う内定調査の為だ。
応募者はそれなりに集まった。大抵は年齢を言ったら…そこで終わり。そこで不採用を経験してきた猛者たちだ。★セルヒオ・チャミーもそのうちの1人。妙な求人があるもんだと思いながら面接に来ている。
諜報員…潜入調査を3か月…。83歳の新人スパイ誕生!妻を亡くしたばかりで、張り合いの無い生活から一変する。張り切ってレクチャーを受け、一通り概要を聞く。そして本題へ…。
ターゲットの名はソニア。家族(娘)からの依頼。施設内で虐められているのではないか調べて欲しいというもの。彼女の写真を見せられ、限られた写真で顔を覚える。神妙な面持ちで見つめているが、電子機器の扱いに不安視はぬぐえない。
スマホの使い方から小型カメラ内臓👓の小道具の練習まで、一通り終えたら最後の面談が待っていた。実子(娘)は納得出来ずに高圧的な態度で質問ラッシュ。ロムロの表情がこわ張る。
黙って聞いていたが、娘が感情的になり始めたので口を挟む。ゆっくりとした口調で、ちゃんと筋道を立てた正直な感情を言葉で綴ると、涙目の娘は理解を示す。
こうして潜入先の特養ホームへ向かった。多少歴史を感じる建物だが、手入れはされているようで、清潔感も感じる。女性の人口密度が非常に高い。(後に把握した人数は女性40名、男性4名)
ロムロや娘が帰り、セルヒオの仕事が始まった。しかし、奥手な性格が急に変わる訳もなく、少しずつ日常会話を心掛ける。その姿が返ってご婦人方からは紳士に見えて功を奏した。
携帯電話の扱いさえ不慣れなセルヒオが眼鏡型の隠しカメラも慣れ、暗号もメモを取る事でクリア。短期間で成長を見せたので、ロムロはより細部な指示を要求するようになって行く。期限も迫り、焦っているようだ。
それでも自分のペースを乱す事なくシルバーレディー達から情報を集める。会話術もレベルアップし、振舞に余裕があった。自分を偽らなくても良いので、任務遂行に集中出来た。
彼のミッションは①虐待されている疑惑の証拠探し。②ターゲットの様子を細かく報告する事だ。それらを忘れた訳では無いが、ほっとけない本来の性格上、いつの間にか悩める入居者達の良き相談相手となってしまう…
認知症の症状があり自分の母親が迎えに来てくれると信じているマルタは、人の物を自分の物だと思い込む⁈盗み癖がある。
即興の詩を作るのが得意なペティタ。
紳士的な態度が好きだとベルタに告白され、2人でのデートに誘われたが、揉める事無くやんわり断る。
記憶障害で体験した出来事が抜け落ちてしまうルビラは、疎遠になっている家族に会いたがっている…。
施設内で繰り広げられる…多彩な人間模様から、内情調査の報告が無事に依頼者に納得してもらえるのだろうか…初めての潜入捜査の行方はいかに⁈
ほか
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ベルタ ペティタ M・ブーレマに捧ぐ…
エンドロール間際に浮かび上がった名前。
ご冥福をお祈りいたします。
今作ではドキュメンタリーで、キャストの明記は★セルヒオ・チャミーと★ロムロ・エイトケンの2名のみでした。監督の伝えたかった事を知り、他の登場人物の追尾は止めました。
施設の利用者の方のお気持ちは計り知れないと思います。
ご家族の事情も各々だと…
経験者として心中をお察しします。
施設スタッフ方々。その節はありがとうございました。…皆様の献身的なお世話上に成り立っていた事に、今も感謝しています。そして関連の職につかれている皆さんを尊敬します。受けた恩恵は、どこかで誰かに恩返しさせて頂きたいと考えております🍀
どうか無理のない環境でありますように…と願います。
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まとめ
「007」「ミッション・インポッシブル」「スパイキッズ」「Mr.&Mrsスミス」etc…。スパイ系の名作は沢山あります。しかし、今作は視点が全く違うジャンルに感じました。
主人公は「スパイ経験無しの素人」「83歳」このワードは私にとって非常に気になり、興味をそそられました。理想と現実が違う事も承知の上で、身近な言葉に変換すると…「探偵」やってみたい願望を持っているからです。
今作では対象者が年配なので、どんなシーンも緩い感じの仕上がりになっていますが、セルヒオがロムロに報告するシーンでは、あまりの無防備さが逆にハラハラしました。意外と映画に参加していた事が伺えます(笑)
等身大の姿…セルヒオの後ろ姿に年輪を見て、何故か涙が出ました。祖父に重ねたのだと思います。同時に施設独特の匂いや雰囲気が蘇りました。
親だったり、自分の数年先の事だったり…ちょっとだけ後回しにして来た課題だっただけに、今作の監督の言葉が染みます。📱親に連絡しました。
そして…予測不能な寿命までをどう過ごしたいのか…思い切って意思確認ができました。数年後に気が変わる可能性もありますが、事前調査の必要性も感じています。
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おまけ
著名人の感想を見付けたので、抜粋させて頂きます🍀
黒柳徹子さん
老人ホームの映画の多い中で、ユニークさは特別!
渡辺えりさん
歳を取ると、みんな純粋な宝石の一雫になる。コロナ禍の介護施設で暮らす両親が子供のような涙を流して見つめる。介護士の仕事に敬意を表する。ありがとう!
IMALUさん
大好きだった祖母に会いたくなった。こんな素敵な映画に出会えたことに感謝!
「レギュラーの介護のこと知ってはります?」の著者
映画を観終わった後に日本版もぜひ観たいと思いました!介護に興味の無い人や学生さんにぜひ観てほしい作品です。
信友直子さん
映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」の監督
誰にも老いはやってくる。周りに誰がいたって、きっと寂しい。でも「泣いていいよ」と話を聞いてくれる人がいるなら、それで幸せかも。
以上、気になったので引用させて頂きました。
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最後まで読んでくださり
ありがとうございました。
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