以前実写版をご紹介しましたが、アニメ版を見付けて相似点を検証したいと思っていた。なかなかタイミングが合わず、マイリストにピックアップに留まる。今回「見たい!」気持ちと合致した為鑑賞となる。
視聴作品は…
神々の山嶺です。
個人的な感想としては…
やはり「別物」でした。
「忠実に再現」と言われてないし、原作を基に脚本された実写版だったのだと改めて感じました。小説や漫画は各自の想像力でいかようにでも膨らんで行くし、書き手と読む側の解釈の違いも醍醐味。
従って、アニメ版は声優さんというスパイスによって惹き付けられる何かがありました。この事から、1つのジャンルを鑑賞したからといって、作品を知った気になるのは勿体ないと思いました。しかし人の生死も描かれている事から、単純に「面白かった」というコメントは避けたいとも感じました。故に、各自のタイミングやジャンルで鑑賞出来るように…とこの記事が役に立てれば幸いです🍀✨
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2022年・94分
Amazon prime videoより
(会員でも一部地域の方は視聴出来ない可能性があります)ご注意ください。
監督=パトリック・インバート
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Amazon prime videoより
(会員でも一部地域の方は視聴出来ない可能性があります)ご注意ください。
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山岳コミックをフランス映画界がアニメ化
究極の冒険ミステリー
夢枕獏氏のベストセラー小説を漫画化した「神々の山嶺」をフランス映画界が長編アニメーション化するという海外プロジェクトを待ち望んでいた谷口ジロー氏だったが、残念ながら天才漫画化は2017年にこの世を去った。
今作は7年がかりで作成され、フランスで公開後大ヒットし絶大な評価を得ていた。そして日本語吹替版として豪華な声優が担当になったという。
※詳しくは公式サイトを参照ください
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登場人物・声優・その他
羽生丈二(はぶ じょうじ)
声優=大塚明夫
★森田勝 キャラクター・モデル
深町誠
声優=堀内賢雄
アン・ツェリン
長谷常雄
岸文太郎
声優=逢坂良太
岸涼子
声優=今井麻美
文太郎の姉
※小説では妹となっていた。
ほか
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おおすじ
高く…さらに高く…登り続ける
だが、何のために?・・・
深町誠は雑誌カメラマンを生業としている。
深町の視点で見聞きした事が綴られていく。
日本の登山チームと共に参加したエベレスト南西壁。非常に難関だった事に加え悪天候により途中で断念せざるを得なかった。酸素も充分に残っていた事から続行の声もあったが、責任者の判断で引き返す。
アタックは失敗となった。参加者たちの反省会⁈の席では不満の声が上がる。カメラマンとはいえ山男たちと共に山を登り時間を共有する為、仲間のような関係性だ。
しかし記者は記者だ。社に連絡を入れるが、上司は声を荒げるばかり。滞在費をギリギリでかき集めて参加している深町は、この大赤字を自分で何とかしなければならない。
あちこちへ電話中に一人の男が囁いてきた。男の口から「マロリー」伝説の登山家の名が出た。手にはカメラ。見た目には判断が難しい。何より切羽詰まっている状況に余計な事は考えられなかった。
1人で風に当たろうと店を出ると、暗がりでトラブっている様子を見かける。何かを受け取ると大男が、明るいこちらに向かって歩いてきた。その大男の顔を見て、驚きのあまり動けなくなる。見覚えがあったからだ。
エベレストの登頂記録に名を遺した登山家たち。当然、成功の前に挑戦者は居る。そのうちの1人が「マロリー」だ。彼は消息を絶ったままなので、登頂出来たか否か分からない。
だから…もしもあのカメラにフィルムが残っていたなら、これは大スクープになる。冷静になった深町は当時の紙面をさらい始めた。記念写真の記事などから「ベストポケットコダック」が特定できる。
70年も経ってるマロリーの「謎の解明」に興味が湧くと、歴史が代わるほどの特ダネに心がザワついた。そして、あの時擦れ違った大男=羽生丈二の資料を集め始める。
幾つもの「にんじん」(比喩)を掲示して上司⁈を口説き落とし、交渉は成立したものの…まだスタートラインにも立って居ない。とにかく羽生の痕跡を辿る。
60年代、新人の頃の羽生は、早いだけでなく動きが綺麗で天才的だと言われていた。数々の冬山で記録を残し、凄い山家だと言われ右に出るモノは居なかった。その彼は、ある日忽然と消息を絶ったのだ。何があったのか?
羽生が全盛期だった頃の記事を目にし…当時はスポンサーがついても半分は自己負担。貧乏だった羽生はクサル事もあったが、スポンサーの目に留まる事を視野に入れ、誰もやらない前人未到の挑戦を成功させた。
ペアでの成功を取り上げられたが、自身の力を過信していた羽生は、井上との溝が広がってしまう。天才的な山家としての才能を持っていたが、口が悪く人間関係を築く事が不得手だったのだ。
そして…「何らかのトラブルが起こりパートナーが宙づりの状態に陥った時、命綱を切れるか?切れないか?」の論争になり、羽生は「俺なら迷わず切る!」「共に死ぬ意味が無い」と即答した。この言葉を一生後悔する事になろうとは、この時思っても居なかったであろう。
その場の空気が変わり店を出ると長谷に呼び止められる。名前だけは知っていた。酒の力もあったのか⁈話足りなかったのか⁈羽生は成功体験を熱心に語る。別れ際の長谷は「明日単独でアタックする」と言い、羽生はそれまでの熱量が急激に低下していった。
そのモヤモヤは翌日、焦りに変わる。長谷の成功は大きく取り沙汰され、羽生の脳裏は「単独」に支配されていく。苛立ちは周囲へ向けられ、とうとう仕事も辞めた。
…と、深町はペアを解消した井上に面会を申し入れ、大きなビルの一室で話を聞く。「羽生にとって自分は道具に過ぎないのだと悟った」が理由だったという。それらの話から推察に至る。
その後も羽生は単独で登り続け、文太郎はそんな羽生を尊敬し懐いていく。能力の未熟さを指摘しペアには否定的だったのだが、若き日の自分に重なったのか?上達した文太郎の姿を誇らしげに見守る…初めての感情が確かに芽生えていた。とうとう羽生のOK!が出て文太郎は念願のザイルパートナーとなる。
しかし始めてのクライミング中に文太郎は滑落死。残酷な運命が待っていた。冷たくなった文太郎の側で姉が泣き叫ぶ。羽生は経緯を語らぬまま、全ての責任は自分にあると言い姿を消したのだ。
その日から姉の元にお金のみが届くようになった。「名前も書かれていないが羽生だと思う」「ネパールからの送金が最後で、それが3年前」だという。文太郎の姉を訪ね裏付けが取れた。ネパールの滞在ビザの期限切れで隠れているのだと推測される。
後は現地で情報収集つもりで日本を離れた。「特ダネ」も忘れるほど、羽生の人生に強く惹かれてのめり込んで行く。いつしか自らも命がけで羽生の後ろに続いていた。
いったい男たちは何に突き動かされたのだろうか…過酷な挑戦に命をかけて挑む。神々は微笑んでくれるのか?
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まとめ
小説では岸文太郎さんの妹が岸涼子さんとなっていましたが今作では姉になっています。
他にも、何を見せたいか?によって注視する箇所が違うのかもしれないと感じました。そうなると小説にも興味が湧きます。タイミングとチャンスがあったら読んでみたいと思います。
「MERU/メルー」でのジミー・チンのナレーションを連想しました。冬の雪山とあり、過酷な挑戦。何か所かの共通点もあった気がします。
Amazon prime videoより
(会員でも一部地域の方は視聴出来ない可能性があります)ご注意ください。
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(会員でも一部地域の方は視聴出来ない可能性があります)ご注意ください。
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最後までお付き合い下さり
ありがとうございました。
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