パッケージに惹かれ…ほぼ一目ぼれ状態で視聴に至りました。そして鑑賞後にレビューの評価が高い事に共感しました。映像の中の祖父と孫は、背景から浮き出しているように見えたパッケージと同じく「時間の流れが違う」印象深い映画です。
色んな意味を含んだ「ラスト・チャレンジ」の中で、祖父と孫の特別な時間が刻まれています。歴史を走り抜ける図書館の書物の中から見つけ出す真実。それが自身の勘と交わった時、表現しきれない熱を感じる。
淡々と描かれる老美術商の日常と生涯は、誰にとってのハッピーエンドなのだろうか⁈切り取られた人生の一部分に、奇跡は滅多に起こらない。それでも人は生きていく…。
視聴した作品は…
ラスト・ディール
美術商と名前を失くした肖像
(字幕版)です。
監督=クラウス・ハロ氏
脚本=アンナ・ハイナマー氏
※2018年・フィンランドのドラマ映画
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟
2020年・94分
Amazon prime videoより
現在prime会員は無料で視聴が可能です。
(会員でも一部地域の方は視聴出来ない可能性があります)ご注意ください。
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役柄・その他
オラヴィ
★ヘイッキ・ヌーシアイネン
高齢のアートディーラー。破綻仕掛けているギャラリーを閉店する事を考える一方で、最後にひと花咲かせたいと思っている。そんなある日、暫く疎遠になっていた娘が訪ねてきた。再会は気まずいものだったが、孫の将来がかかっている頼み事だった為に断り切れず引き受けた。あまり社交的な性格ではない事から、顧客以外の友人は1人だけ。孫との初対面は互いに最悪な印象だったが、数日を共にするうちに距離が縮まって行く。
リー
★ピルジョ・ロンカ
長く疎遠になっていたオラヴィの娘。母子家庭で苦労してきたが、決して父に頼らずに生計を立ててきた。素行が悪かった息子の将来の為に初めて父を頼る。息子が父の元へ熱心に通う姿を喜び、和解の雪解けになるかと思われた。だが深い溝は簡単には埋まらず、歩み寄って欲しいと望む想いが強すぎて、父親の言動を理解しようと出来ずに突き放してしまう。
オットー
★アモス・ブラザース
オラヴィの孫。10代の少年。母子家庭で育ち、素行の悪さから職業体験の書類にサインが必要となる。就業評価を書いてもらう為に祖父を訪ねた。ギャラリーで働かせて欲しいと頼むが、最悪の初対面で短気を起こす。しかし母の根回しにより、なんとかオラヴィの元で働き始めた。始めこそ短気でムコウミズであったが、商売の素質のアピールが成功する。そして祖父と孫という関係性を越えて1つの目標に向かって貴重な体験をしていく事になる。
パトゥ
★ペルッティ・スヴェホルム
オラヴィの唯一の友人。同業者。自身の商売も厳しい状況でありながら資金を調達する。オラヴィの逆転勝利に耳を傾け一喜一憂を共にする良き理解者。
ほか
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おおすじ
オラヴィ(ヘイッキ・ヌーシアイネン)は72歳の老美術商。フィンランドの首都ヘルシンキに小さな美術店を構え、長年営んできたが…景気は悪化。客足も遠のき、そろそろ閉店を考え始める。しかし「最後に大きな仕事をしてみたい」という気持ちがくすぶっていた。
どこもオンライン・ギャラリーが主流になりつつあり、手書きの顧客リストにタイプライターの領収書は、時代に乗り遅れている。ギャラリーでの動きも、見透かされた顧客に買値で売却。生活や店の維持費はマイナスだ。
「駆け引き」の場を無くし意気消沈していた。そんなオラヴィを気にかけるのは、唯一の友人であるパトゥ(ペルッティ・スヴェホルム)だけ。オラヴィを下見会へ連れ出す。そこで運命の出会いが⁈1枚の肖像画に目が止まる。しかし作者のサインも無く出所がハッキリしない。
コーヒー店へ移動すると…若いディーラーがオラヴィの店に目を付け、譲って欲しいと言ってくるが、先ほどの肖像画の事で頭がいっぱいになっていた。「最後に1度だけ!1度だけでいい。いい仕事がしたい」と、パトゥに熱く語るオラヴィ。
一方、長く疎遠だった娘リー(ピルジョ・ロンカ)が突然現れた。息子のオットー(アモス・ブラザース)をギャラリーで働かせて欲しいと懇願される。どうやらだいぶ切羽詰まっている様子。しかし、オラヴィには響かず攻防戦は続く。タイミングが悪い所に孫が現れ、人を雇えるほどの余裕が無いと突っぱねてしまった。
「男の肖像」と名はあるのにサインが無い。出所も不明で一か八かにしては「リスクが高い」とパドゥは反対している。しかし、自分の勘は静まらずオラヴィを支配した。オークションの開催日が迫り焦り出す。
情報が少ない中、図書館で思いつく限りのアプローチから探し始めた。オラヴィの隣には孫のオットーが助手に昇格。猛アタックを試みた娘の作戦勝ちだ。儲けは報酬!と職業体験のサインで、オットーも乗り気充分。
アナログとハイテク。歳の差からのジェネレーションギャップが、事のほかハマリ…距離が縮まったオラヴィとオットーはいい関係を築き、期待通りの真実を導き出した。喜び喚起する祖父を見て、期待に応える喜びを知るオットー。
オットーの活躍により奇跡的に目当ての肖像画を手にしたオラヴィだったが、その後ろ姿を見送る悪意はまとわりついてくる。表面化で邪魔されている事に気付けなかった事で、事態は急展開を見せる。
思いのほか熱心に通う息子の姿を喜んだ娘が歩み寄ってくるが、切羽詰まったオラヴィは台無しにしてしまう。父との距離が縮まったと思い始めていただけに、その行為は娘の逆鱗にふれてしまったのだ。全てが上手く生き始めた矢先に、オラヴィのラストチャンスは音を立てて崩れていく。
娘は父からの歩み寄りが無い事を責め、自身の想いを踏みにじった事を一方的に責め立てる。疎遠になっていた事にも原因はある様子。意外にもオラヴィの切羽詰まった状況を救ったのはオットーだった。
かけ違えたボタンは「家族の未来」に繋げられたのか?オラヴィの言う「最後のいい仕事」は叶えられたのか?父と娘の確執は関係修復…再生は出来たのか?
おもむきのある街並みを背景とし、歴史ある絵画の前に老美術商の目利きと家族の再生物語から得たモノとは何か⁈
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まとめ
余談ですが…
オットー役のアモス・ブラザースが、デビュー当時のトムクルーズに似ていると思うのは私だけ⁈アップになる度に思っていました🥰(笑)
失礼!本題に戻ります💦
人生の折り返しを過ぎた方々…先人の言動が気になり始めている昨今。今までなら、前もってリストアップした作品を優先に鑑賞していただろう。しかし今日は思い付きのチョイスとなりました。
シュールな家族の再生にホッコリしたと思えば…寂しさに心が締め付けられるシーンで感傷に浸ります。字幕版だったから集中して視聴が出来、言葉を噛みしめる事が出来たのだと思いました。
個人的には「寿命」
ある日突然に訪れる「寿命」
高齢者にとっての毎日は、今や年齢に関係なくやって来る。それは「自然災害」「交通事故」「病的な発作」「不慮の事件」…どれにも当てはまります。
今作に至っては、志半ばでの「寿命」が来てしまう事が心配で、祈るような気持ちで映画に参加していた気がする(笑)自分的には、夕暮れ時に一日を振り返り佇んでいたら…突然翌日の朝日になった😲そんな気分になりました。
絵画やギャラリーに縁がなくても、問題なく理解できる描写になっています。もう少し世の中が落ち着いたら「美術の世界」へ冒険しに出かけてみようと画策中。
古いものは「埃っぽい」がセットになっている思考と、芸術的な街並みに焦がれる想いが忙しく交差していました。住んで生活したいとまでは思いませんが、旅行又は留学してみたいな。と、妄想が膨らみます🥰
「絵画」「図書館」「離散した家族の再生」「ひと花咲かせる」「経験者の勘」「宝探し」これらが今作のキーワードでした。
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最後まで読んでくださり
ありがとうございました。
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