芳根京子さんが、また難しい役に挑戦!支える共演者は寺島しのぶさん。岡田将生さん。清水くるみさん。その他にも個性的な俳優陣のおかげで、特殊な世界観の物語が映像化されています。
人としての寿命が尽きた後、残された者の為に限りなくリアルな肉体を腐敗する事なく保存する。生々しく感じるシーンが登場しますので、苦手な方はご注意下さい。※ちなみに私は生々しさが怖かったです。パッケージから感じる柔らかい印象が持てるのは、物語の後半…ラストに近付いてからでした。
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟
視聴した作品は…
Arc アーク
監督・編集=石川慶氏
脚本=石川慶氏、澤井香織氏
原作=ケン・リュウ氏(SF作家)
ケン・リュウ短篇傑作集2から
「 円弧(アーク)」を原作とした
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟
2021年・128分
Amazon prime videoより
現在prime会員は無料で視聴が可能です。
(会員でも一部地域の方は視聴出来ない可能性があります)ご注意ください。
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟
おおすじ
★登場人物
それまでの生立ちは不明だが、何かが欠落している少女が子どもを産んだ。出産後のリナ★芳根京子の横には新生児が泣いている。何でも手で触って確認してきた彼女だが、名前もない男児に触れる事が出来なかった。そして19歳のリナは独り消息を絶つ。(新生児はリナの親が育てたのだと後に分かる。)
自由人なのに、何処か何かに囚われているようなリナ。大きめのリュックを背負い、放浪していたある日。彼女の心の叫びを感じ取った女性が居た。その人はぶっきらぼうに名刺を手渡し去って行く。
何の会社なのか理解するよりも、あの女性が気になった。エマ=黒田永真★寺島しのぶは「ボディーワークス社」を経営している。歓迎とは異なるが、社内の見学を許された。そこには見た事も無い世界が広がっている。中でもエマにしか出来ないとされる最後の仕上げ。無機質なモノに命が宿る様を見て衝撃が走った。
そのまま会社に住み着き、エマから与えられた資料を貪る。ボディーワークスとは…ご遺体に樹脂を流し込み、プラスティネーション(肉体を腐敗させない技術)を施す。そして生前の姿をよりリアルに再現し保存する…依頼を請け負っている。剥製のようであるが、柔らかい肌の質感は保たれていた。
エマは会社の全てを自由に見学させてくれた。そして誰よりリナの才能を理解している。しかしそのエマが弟の「アマネ」15歳時★中川翼には近づくな!と釘をさした。まだ幼さの残るアマネもまたリナの才能を評価していたのだ。暫くするとその意味が分かる。2人の考え方が対局であった事から…エマが失脚した。
その頃には…エマが出来た事はリナがこなせるようになっていた。エマと出逢った頃の異質感がすっかり消えて、リナは別人のように爽やかな心象になる。色々と世話をやいてくれていた先輩が、出産を期に退職していく。唯一の心のよりどころはアマネ=黒田天音★岡田将生しか居なくなってしまった。そのアマネから、公私共に永遠のパートナーとしてプロポーズされるが、秘めていた息子の事が引っかかり躊躇する。
アマネは意外にも心の整理がつくまで「永遠」に待つと言った。プラスティネーションに改良加え、生きている肉体を永遠に保つ技術の開発に成功していたから。世の中は騒然となるが、全ての人間に適用される訳でない事が、貧困層の暴動を引き起こす。
そして予てより意見が対立していたエマは、あえて施術を受けず自らにプラスティネーションを投与した。友に寄り添い笑みを浮かべて、ゆっくりと旅立つ事を選択したのだ。
師匠の選択に涙したが、自分は自分の選択をする。アマネの手で人類史上初の老いない女性となった。そして互いの想いを重ねたアマネと「永遠」の夫婦になる事を誓う。この時リナは30歳。
幸せの階段を上がり続けてきた夫婦は、次々に理想を実現させていく。そんな2人に無情な現実が突きつけられる。アマネが自分の遺伝子異常に気付いた時には、もう手の施し様がなく、リナに伝えられた時には余命2か月と迫っていた。あっという間だったが…互いに気持ちがついて行かず涙の数日間を過ごす。そしてエンゲージリングが光る左手だけが残った。
アマネを失って放心状態だった時、夫からの贈り物を知らされる。そして85歳で娘=ハル(5歳時★鈴木咲)を生み、アマネの意志を継いで…高齢者を無償で世話をする施設「天音の庭」を開設し移り住んだ。そこにはカナコ先輩★清水くるみの娘の奈々★清水くるみの姿もあった。
90歳になる頃には…不老不死の技術が全人類に普及した。しかし、体質や思想、高額な費用などを理由に、老いていく人々もいる(加奈子も老いて亡くなった)
不老不死の職員が働き、高齢者たちを看取る施設。その生活サイクルに馴染んできた頃、運命のイタズラはやって来た。
★井之脇海
★中村ゆり
★小林薫
ほか
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟
まとめ
清水くるみさんを画面で久しぶりに拝見しました。舞台「ロミオとジュリエット」で城田優さんと共演していた頃の面影はすっかりなくなっていて、あか抜けた⁈否😲洗練された演技に驚きました。当時はインタビューが聞き取りにくい程の独特な喋り方をキャストに真似されていました。今作では、非常に魅力的に見えます。全体的に若い俳優さんの活躍が目立ち始めている昨今。これからの彼女が楽しみでなりません🥰
どこか中性的な印象を与えがちな彼女は言葉を選びながら…ネガティブ思考からキャスティングに躊躇していた。尻込み気味だった芳根さんの背中を石川監督が押したという。彼女の葛藤は映像からも伝わるほどだが、あえてそのまま使用されたのかもしれない。
映画の冒頭では…
「ヤバイ!これ…
精神的に怖い奴(作品)だぁ😭」
と恐れおののき、停止時を探していた。しかし、ピアノでいう転調のように空気が切り替わる瞬間が分かる。それでも愛ある家族であったとしても、自分には近寄れない領域だと思いますが…。
石川監督曰く…ケン・リュウ氏が描いた物語は決して単なる不死への警鐘ではない。
不死という未知の存在を手にした身体に対して、果たして自分たちの知識や価値観が追随できているのかと強く問いかけている。
「アンチエイジングが発達している現在、ストップエイジングも決して遠い未来の話ではない」と魅力を語っている。
鑑賞後に振り返ると…寺島しのぶさんの演技に余韻を感じている。引き込まれていたという事だ。(※豊川悦司さんが醸し出す雰囲気に似ていると感じたのは私だけであろうか?🤔)
それと不思議な事に…頭を使う事で、いつしか恐怖心を忘れており画面に集中していた。久しぶりの体験🥰
私が寺島しのぶさんを認識したのは、岡田准一さんと黒木瞳さんの🎥「東京タワー」だった。松本潤さんとの、ぶっ飛んだ展開が衝撃的でした。その後もまさに…全身を露わなシーンから情熱的な絡みまで、本当に体当たりな演技で数々の作品に出演されています。
「芸」の一家に生まれ、気が強く転生の芸の道を突き進む女性像を、弟さんが某番組で語っていた事を思い出します。今作でも得に意質なオーラ出しまくりでした。つられるように芳根さんの演技が変わっている所も見せ場の1つかもしれません。物語に深みが増した気がします。共演者も成長させる女優さん。素敵ですよね。
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟
おまけ
👇芳根京子さんから連想する作品たち。
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟
最後まで読んで頂きまして
ありがとうございました。
🍀✨🤗✨
★🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟