仲間由紀恵さん演じる大奥取締役と西島秀俊さん演じる歌舞伎役者の出会いは偶然であり、運命のいたずらでもあった。嫉妬が渦巻く大奥の女たちと、腹黒い老中たちの利害一致で仕組まれた罠。理性を保ちながらも心は動いていた。業火の後押しを得た2人は秘め事に身を投じる。そして思惑に決して屈する事無く2人は全てを飲み込んだ。何も認めず何も語らず、双方全てを受け止めた。
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視聴した作品は…
大奥
監督=林徹氏
助監督=林稔充氏
脚本=浅野妙子氏
キャッチコピー
最悪の地獄
百鬼繚乱
大奥・・・そこは女の理想郷か?
それとも牢獄か?
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2006年・126分
Amazon prime videoより
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主題歌
🎤倖田來未
「運命」💿(Rhythm zone)
作詞=倖田來未氏👀❕
作曲=日比野裕史氏
編曲=家原正樹氏
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登場人物紹介
絵島(大奥総取締)★仲間由紀恵
生島新五郎(歌舞伎役者)★西島秀俊
月光院(家継生母・先代御側室)★井川遥
間部越前守詮房(家継側用人)★及川光博
宮路(天英院付中臈)★杉田かおる
小萩(絵島付中臈)★麻生祐未
藤川(絵島付部屋方)★中山忍
法心院(先代御側室・蓮浄院付)★木村多江
葛岡(奥女中)★鷲尾真知子
吉野(奥女中)★山口香緒里
浦尾(奥女中)★久保田磨希
菊緒(上臈御年寄)★江波杏子
金子長十郎(歌舞伎役者)★北村一輝
懐月堂安度(浮世絵師)★谷原章介
谷口新八(浪人)★竹中直人
山村長太夫(山村座座元)★平泉成
やえ(お久美の母)★鈴木砂羽
弁当屋★徳井優
安度の女★佐藤仁美
船頭★木下ほうか
物知りお徳★紅萬子
お久美(風車売り)★山田夏海
年増女(新五郎の女)★園英子
船着場の亭主★小谷浩三
娘道成寺白拍子★志賀山扇右
新井白石(政治家)★本田博太郎
奥山交竹院(医者)★火野正平
坪内能登守定鑑(中町奉行)★原田龍二
岡本平右衛門(御徒目付)★田口浩正
役人★小倉久寛
部屋子(蓮浄院付)★星野真里
快意(僧侶)★山田明郷
御坊主★かとうあつき
松ヶ枝(絵島付中臈)★小松みゆき
桜井(月光院付中臈)★岩倉沙織
徳川家継(第7代将軍)★澁谷武尊
家臣A★井之上淳
吟味与力★木谷邦臣
滝川(蓮浄院付上臈御年寄)★浅野ゆう子
蓮浄院(先代御側室)★松下由樹
仙石丹波守久尚(江戸城大目付)★柳葉敏郎
奈良屋善右衛門(呉服問屋)★藤田まこと
秋元但馬守喬知(老中筆頭)★岸谷五朗
天英院(先代御正室)★高島礼子
ナレーション★梶芽衣子
ほか
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おおすじ
大奥とは…江戸城にあり、将軍家の御台所・子女・側室・奥女中(御殿女中)など…男子禁制の女性と子供だけの住まいである。広い意味では西丸大奥(二丸大奥も含む)と言われる。※江戸時代の大名家でも家によっては奥向を大奥と呼んでいた。4代将軍(徳川家綱)の時代に呼称が登場し、5代将軍(徳川綱吉)の時代に「大奥」が定着した。
江戸城には…城の主のみが入る事が許されている場所がある。上様の来訪以外には施錠されており、その場所での言動は他言無用の聖域。大奥内での情事は幾多の愛憎劇が囁かれようと、決して明かされる事なく庶民には知る由もない。
江戸幕府7代将軍は徳川家継★澁谷武尊。幕府の中でも熾烈な権力争いは続いていた。まだ幼さが残る少年であり、世話係として間部越前守詮房★及川光博が常に傍に座していた。古株の権力は健在でありながら対立する者もおり、間部を快く思わない者たちは失脚への罠を巡らせる始末。
その構図は大奥でも同様…。先代将軍(家宣)の正室・天英院★高島礼子と側室で家継の生母である月光院★井川遥の対立が目立ち始める。
古き者は馴染み深い淀んだ水たまりにどっぷり浸かり、変化を拒み悪知恵が付く。外に楽しみが見い出せず、陰湿な画策をしかけ集団の前に晒し者にする遊びに興じる。全ては息子(家継)の為と耐え忍ぶ月光院には、絶大な信頼を寄せる大奥総取締の絵島★仲間由紀恵が傍らに仕えていた。※実際に大奥総取締という役職は存在せず、今作オリジナル。
就任したばかりとは言え、絵島は非常に優秀で、どんな火の粉も一瞬で振り払える器量を兼ね備えている。家継も慣れ親しんでおり、月光院も心強かった。しかしその働きぶりは、対立する天英院派の神経を逆なでてしまい次第にエスカレートしていく。
大奥では決して気が休まる事無く張り詰めている月光院は、先代亡き後心身ともに安らぎを求めていた。息子の世話係と親しくするうちに一線を越えてしまう。秘め事は漏れ伝え、絵島付きの者たちから心配の声が上がる。だが月光院の気持ちを汲み取り絵島は止めようとしなかった。
結果…噂になってしまい、天英院付きの者たちの罠に自らハマりにいくほど、無くてはならぬ存在になっていた。策略の罠を察知し距離を置こうとする間部だったが、病を招くほど深い想いを持っていた月光院は、乱心し床に臥せてしまう。憔悴して行く姿を見かねた絵島は、間部との間に立つ。
先代亡き後、家継が継いだとはいえ、まだまだ母親が恋しい年頃の少年。側近であり、全ての仏事の代理人となっていた間部にも敵は多かった。快く思わぬ老中たちと天英院付きの者たちは手を組み、月光院を貶める画策をする。
そんな時月光院から頼まれ、パワースポットへ出向いた折、絵島はある男と出逢った。絵島にとっては印象深い出来事として記憶に刻まれた。大奥に上がり月光院に手を取って貰った時から、脇見も降らず尽くして来た絵島には男性の免疫が無く知識も疎かった。好奇心も足され、トキメキに戸惑う。
その男が歌舞伎観劇の看板役者である事を知ったのは、仕組まれたとはいえ運命的な再会の場であった。生島新五郎★西島秀俊の方は、初対面の記憶が無かった。その事にショックを受けた時から、もう絵島の恋は始まっていたのかもしれない。
初めての経験に戸惑いながら、生島とのすれ違いが余計に想いを募らせた。一方通行では無く想いが通じている感覚もあり、己の気持ちにブレーキをかけていた。月光院を通して男と女のサガを知った気でいたが、溢れる想いが募るにつれ大奥総取締との板挟みになっていく。
純粋な想いとは裏腹に、巨大な陰謀に踊らされていく。恋の駆け引きなど可愛く感じられるほどの、濃く深い命がけの恋愛を…人為的に引き起こされた炎がアシストした。大奥では月光院を!老中たちは間部越前守詮房を!「ただ…追い出せればよかった」この思惑が、多くの犠牲者を伴い壮大な事件を巻き起こす。
女の激しい愛憎劇は底なし。嫉妬、執着、怨念…は渦を巻き、新風で換気される事など殆ど無い閉鎖的な大奥。精神弱き者は淘汰され時代に飲み込まれていく。賢く立ち回って来たハズの己過去も未来も投じる禁断の悲恋が色濃く描かれる…。
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まとめ
当事者2人の視点から見たらドラマチックなラブストーリーで、初見では切なくて感情が高まり涙した。けれど…冷静に考えると、巻き込まれた犠牲者達は理不尽な罰則に怒号も飛び交ったであろう。「時代のせいだ」で割り切れない者達も沢山いたであろう。随分身勝手な2人だと…。「ごく潰し」だと…。
鑑賞後に色んな記事を読んでみた。当然諸説あり色んな見解が存在して真実は知りえないが、だいたい類似している所を抜粋すると相当迷惑な事件だ。この史実を今作の監督はドラマチックなラブストーリーに演出したのだと知り、私はまんまとハマった観客という訳だ。
それでも…どんな人にも2面性があり、何事も常に選択肢に迫られている。違う方を選んでいたら?と考えたとしても、実際は変えられるわけも無くため息をついて終わるだろう。切羽詰まる程忘れがちだ。ただ考えているだけとは違い、映像にして見せられるとハッとする。反面教師というやつであろうか…。
そうそう…。衣装代に1億円かけた女優さんが居ると知り驚きでした。そして今作は「大奥シリーズ」の完結篇としての製作であると事前に発表されているといいます。フジテレビで放送された「大奥」の集大成的である為、監督と脚本家はそのまま担当する事になった。※テレビドラマ版に出演したキャストが多数出演したという事です。
2003年版
浅野ゆう子さん、鈴木砂羽さん、本田博太郎さん、原田龍二さん、井之上淳さんが出演
2004年版
松下由樹さん、高島礼子さん、藤田まことさん、西島秀俊さん、山田夏海さんが出演
2005年版
谷原章介さん、平泉成さん、中山忍さん、徳井優さん、佐藤仁美さん、火野正平さんが出演した。
(大奥スリーアミーゴスの鷲尾真知子さん、山口香緒里さん、久保田磨希さんの3人も出演)その他女子アナ31名が出演するとし話題を集めた。
ネット情報でありますが、気になったところを抜粋させて頂いております。ご了承下さい🍀
江島生島事件とは…
江戸時代中期…江戸城・大奥・御年寄の江島(絵島)が歌舞伎役者(生島新五郎)らを相手に遊興に夢中になり、門限を守れなかった事を咎められ、関係者(1400名)も同様に処罰された(綱紀粛正事件)絵島生島事件、絵島事件ともいう。
徳川家第七代将軍・家継の生母・月光院に仕える(御年寄)江島は、同じ年寄の宮路と共に主人の名代として前将軍(家宣)の墓参りに出かけた。その帰途で懇意にしていた呉服商に誘われ、木挽町(現在の東京・東銀座界隈=歌舞伎座周辺)の芝居小屋(山村座)に立ち寄った。芝居の後、江島は生島らを茶屋に招いて宴会を開く。この宴会に夢中になり、大奥の門限に遅れてしまったという。こうして評定所から審理される事になる。しかし門限に際しての理由では無く、大奥の規律を重要視した罰が下ったとされた。
関係者が徹底的に調べられ、江島は生島との密会を疑われる。月光院の嘆願により減軽され、最終的には内藤清枚にお預けとなる。(江島の異母兄・白井勝昌は武士としての切腹ではなく斬首、弟・豊島常慶は重追放となった。生島は三宅島への遠島。座元の五代目山村長太夫は伊豆大島へ遠島(山村座は廃座)江戸中にあった芝居小屋は巻き添えを食い改築を命ぜられ、夕刻の営業を禁止される。取り巻きらも遠島や追放の処分を受けるなど、最終的に50人近くの人が罰せられた。)
体が弱かった家継は、この事件の2年後に無くなり吉宗が徳川八代将軍に就任する。江島は27年間幽閉(閑居)生活を続け61歳で死去。その年生島は徳川吉宗に赦免され、江戸に戻れたが翌年73歳で死去。(1733年に流刑地で死去した説もあり、三宅島に墓があるらしい)
当時は家継の生母月光院と、前将軍正室天英院が勢力争いを繰り広げていた説があるが、大奥の首座は天英院、次席に月光院であったと書に記されている。それは徳川八代将軍就任後も変わっていない。
これらの事件については、1913年に長谷川時雨氏が「江島生島」歌舞伎座で初演され、1953年に舟橋聖一氏の小説「絵島生島」が評判となり広く知れ渡った。以降、多くの人々がテーマにする事によって今日に至るという。歴史上の人物として名を連ねる武将たちのように、彼女の諸説も色々と存在している。
陰謀論や憶測が飛び交う中、裏付ける決定的な資料は今のところ明らかにされていない。例え存在していたとしても、創作意欲をくすぐる史上の人物達だと思います。
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おまけ
大奥
男女逆転
Amazon prime videoより
「男女逆転」という発想に興味を惹かれ鑑賞した覚えがあります。そして、出演者の柴崎コウさんと二宮和也さん、堀北真希さんの三角関係も見どころだと思いました。
大奥~永遠~
右衛門佐・綱吉篇
Amazon prime videoより
こちらは、堺雅人さんと菅野美穂さんのリアルご夫婦が共演されている事で、興味がありますが、なかなか鑑賞に至るタイミングが合わず、いまだチェックまでとなっております。チャンスを楽しみにしている1作です。
👆2本とも今日現在primeマークは付いておりません。しかし有料なら視聴が可能です。参考にして下されば幸です。
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最後まで読んで頂きまして
ありがとうございました。
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